隠居月の雑多な書き処さん

ゲームの感想とか何となく書きたくなったことを雑多に文字にして放り込むところです。Twitterには投下したくないネタバレとかえっちなやつの感想とかも書きます多分。

【感想】クナド国記

この記事は18禁ゲームに関する感想です。未成年の方は閲覧厳禁です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Purple Software様から先日12/24に発売されたクナド国記、クリアしましたので感想を書いていきます。

発売直後の作品ではありますが、Twitterのような意図していなくてもネタバレを目にしてしまう可能性のある場とは異なり、意識的にアクセスしないと内容を確認できない≒ネタバレが載っている可能性を承知の上、ということを前提としています。例によって前半は公式に載っている内容などネタバレにならない大枠の範囲で、後半はネタバレ込みの構成で内容つらつらしていきますが、上記承知の上読んでいただくようお願いします。

新作の感想を書くのは今回初めてなため念のための注記ということで。

 

本題。

クナド国記はPurple Software様から発売された御影氏シナリオ作品の4作目になります。

 

公式サイトのあらすじでは冷凍睡眠されていた主人公が1000年(作中で提示された時間を真面目に計算すると1014年くらいになると思います)の眠りから覚め、失われていた文化や希望、幸せを取り戻す、となっています。

パッと見のお話の方向性としては、異世界転生もののような印象を受ける作品であると同時に、一つの国とその民の在り方と移ろいという、特定の個人ではなく集団としての「人」が描かれていたり、和風な世界の空気感が個人的に好きなポイントです。

 

メインヒロインの中では私は茜・葵の姉妹が好きです。

元々体験版時点での印象から双子ちゃんかわいいな~とは思っていましたが、あんまり頭は使わないけど勘が利くお姉ちゃんと、そんなお姉ちゃんをフォローしつつもっとバーサーカーな妹ちゃんの組み合わせが思ったより刺さりました。シナリオも私は双子ちゃんのルートが好きです。

元気で騒がしくてかわいい年下の女の子がかわいくないわけがない。甘やかしたい。

余談ですがどちらか選ぶなら私は茜ちゃん派です。

発売日に出かけたついでにメロンブックスのガサガサを2回引いたところ両方茜ちゃんで、見本を見てパッと目に留まった袖をつまんでいるSD絵とシクだったあたり持ってたなと思います。

メインヒロイン以外だと燕ちゃんが遠野そよぎさんボイスの話し方といい設定といい素晴らしいですね。

 

さて、この作品は公式サイトのスタッフインタビューに記載されている通り、過去作との直接的なつながりはなく、単体で完結している作品として位置づけられています。が、世界観自体は過去に発売された御影氏シナリオ作品であるクロノクロック、アマツツミ、アオイトリ(特にアマツツミ)と一部共通して出てくる用語やフレーズなどがあったりします。

過去作もやるとニヤリとできるポイントが非常に多いため、発売順にやって、と言いたいところですが、アマツツミとアオイトリは主人公の背景設定が若干特殊なため、体験版なども加味して設定周りが問題なく受け入れられるならこの2作から、軽めのジャブから入りたければクロノクロックかクナド国記から入るのがいいと思います。

とはいえ少なくともアマツツミだけでもやってあると色々見えるものが違ってくるのでできればやってあるとグッド。(どっちだよ)

 

クナドも終わったところで他に積んでいる紫作品がいよいよ未来ノスタルジアと明日の君に逢うためにだけになったので、そちらもできれば早めに崩していきたいですね。

 

進めながら色々考えていたらネタバレ方面で書きたい内容がどうにも多くなってしまいましたので、適当に書きなぐっているだけですがプレイした方でよければ流し見していただければ。

ということで以降ネタバレ注意の空行です。

 

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【注意】
以降ネタバレを含む感想になります!
未クリアの方やネタバレを気になさる方はブラウザバックをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 はい、そんなわけで続きです。

例によってヒロインごとにさらりと。

 

・優里

誰でもない少女から未来のカントを背負う新しい英雄にジョブチェンジした子。カントの民において一番最初に個性を得て、希望や幸せに向かって走り出した彼女がいるからこそ、ほかのカント人も同じように歩み始めたのだと考えると、作中でも減給のある通り本当に彼女の存在は大きいですね。八剣と春姫様大好き(信は理解者兼呆れの対象)なので命令には割と何でもイエスと答えるもののたまに無茶ぶりを振られてパニックになるのかわいい。個人的なイチオシは「え?かわ?え?」あたりでしょうか。

個別では知らずのうちにお父さんと再会したり、結婚制度を復活させての結婚など、鉄鬼に対するあれそれからは少し離れてはいるものの、それでもとても明るく幸せなエンディングになっていてよかったです。狐の面だけに狐の嫁入りはうまいなと思いました。

 

・茜・葵

個人的な本作の推しヒロイン。ちょくちょく茜ちゃんが口にするとう!しゅたっ!着地!だったり、ドーナツに夢中になる葵ちゃんだったりがひたすらかわいかったですね。しかもお姉ちゃんが会話している最中も葵ちゃんは無言でひたすら食べているという。もぐもぐもそもそ。

子供故か本編を通して二人とも大きく成長していくところが見られるのがとてもよかったです。信が言霊で操られたことがきっかけとはいえ、2人がケンカをしている中での死鬼到来は、嫉妬と独占欲でいつもより突っ走っちゃうのに、それでも姉のピンチには姉を守ろうとする葵と、そうして深手を負った葵やそれまでに見てきた色々なものを経て茜が自分なりの統治者とは何かの答えを導き出すシーンもありとても盛り上がりました。個別でも過去との交信を経てさらに成長し、エピローグではまさかの大人になった二人のCGという。大きくなったなぁ…なんて目線がヒロインへのそれというよりは親か伯父あたりのそれになってしまいました。余談ですがルートのエピローグで登場したショートの燕ちゃんも可愛かったですね。

双子はどちらも好きですがうぶな反応とかお姉ちゃんとして頑張るところを見ていてとても刺さったので選ぶならお姉ちゃん派でしょうか。茜ちゃんは時々地団駄を踏んだり会話の応答内容が短くなったり、あとは会話の雰囲気や褒められるとちょろいところを見ていると、どことなくクロノクロックの安藤美咲ちゃんを思い出しますね。それは刺さって当然か。

 

・春姫

とんでもねぇ設定を抱えたヒロインでしたね…。私個人としては普通に生まれた人間じゃないキャラは過去に経験済なこともあり、神にも近しい力なら人間の創造くらいできるか…と思いましたが、逆にそれが判明するまで検討もしていなくてやられた気分も少しあります(笑)。

春姫は統治者として強くあることが前面に出すぎて、信に言われるまで泣くことすらできなかった悲しい面を抱えてはいますが、そんな彼女が信と愛を確かめ合い、幸せの只中で別れを拒み泣き叫んだり、すべてが終わった後に信ではなく夏姫が姿を現した時には激しく取り乱して返してと叫んだりと、秋野花さんの演技には脱帽ですし、最後にはキチンと幸せになって行けるであろう様子が描かれていてよかったと思います。ハッピーエンドに持っていく過程に多少気になる点がないではないですが…まあ無為にキャラクターが苦しむのを見たいわけでもないので(?)それはそれとしましょう。

また、終わってからスタッフインタビューを読み返したりもしていたところ、裏主人公とヒロインとして冬人さんと夏姫姉様を立てる案もあったらしいですが、実際終わってみると実質的にその設定まだ生きてない?というくらいに、お話の裏側にあった二人の想いや信念も強く感じられましたね。2人が二人らしく生きるにはあまりにも障害は多かったですが、もしものお話も少し見てみたかったような気がします。

 

ヒロインごとのお話とは別に、夏姫が口にする「言霊は想いを繋ぎ願いを叶える力」のフレーズについて。

個人的にはこのフレーズ、言霊であれ普通の言葉であれ本質は変わらないと思っています。あくまで私的な意見ですがそもそも言葉というのは人や認識を媒介するものであり、本編中で言われているような約束にせよ日常会話にせよ、何らかの自己認識を他者と共有するために使われています。自然現象や物理法則を解き明かす専門的な学問にしても、神仏のような宗教的な観念にしても、平たく言ってしまえばそれまで理解できていなかった事象に対して言葉で意味と形を与えることにより、人間に理解できる形に言語化・矮小化している(クナド国記における言霊使い風に言えば自然と対話している)とも言えるのではないかなと。以前に本作のシナリオライターの御影氏が神の遍在についてツイートされていましたが、これもまた同様に人間に理解しやすいように言葉を通して表現していることではないかと思いました。

 

おおまかにはこんなところでしょうか。

余談ですが読み書きができない≒技術の伝達はほぼ口伝と考えるとだいぶすごい気がしますね。人口800人だから成立する力技感。

あともう一つ、というところだと、アマツツミの挿入歌であるコトダマ紡ぐ未来が流れるシーン、もちろん楽曲自体は顔面ボロボロにするほど好きなのですが、多少のアレンジとかがあればもっと嬉しかったかもしれません。せっかくですし…。

感想としてはいったんここで区切ります。

アマツツミのネタバレも含む内容についてはこのあと少し行を開けて思い至ったものを羅列していこうかなと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということで、クナド国記本筋の感想からずれるのと、過去作(主にアマツツミ)のネタバレを含む内容を補足

色々細かいところを考えながら進めていたらアマツツミとの間に共通点がそこそこあったなと思いました。アオイトリとも一部関連がないこともないですが、つまるところそのあたりの要素はアマツツミから一本に繋がっているお話なのでそこは脇に置いておきます。

要約して書く都合ニュアンスがずれている可能性はありますが、なんとなく思い至ったのは

・春姫が最初に信に言霊を見せて鉄鬼を打倒するシーン

ここで春姫が信に伝えていたこと、要約するとアマツツミで誠さんが響子から言われていたような「言葉と意思が100%一致した状態」に限りなく近いような気がします。アマツツミにおいて言霊使いたちが嘘をついていたかはそもそも会話頻度が低い描写によりわかりませんが、誠さんや愛ちゃんの会話を思い返す限り、誤魔化しはしていても嘘らしい嘘をついていたような記憶はぱっと出てこないような気もしなくもない。

 

・約束

最終版の冬人の発言とアマツツミのほたるんの発言が同じ「約束は普通の人間でも使える言霊」であったり、響子曰く言挙げになっている

 

・主人公の選択とヒロインの叫びと、各種会話

アマツツミでは、コミュニケーションに憧れた誠さんが人里に出てきたことで、神から人となり、ほたるのために最後の言霊を使う。対してクナド国記では、鉄鬼として生まれた信が希望や幸せをもたらす過程で愛を知り、人として黒神のもとへ赴き最後の言霊を使う。同時に、ほたるの叫びも春姫の叫びも、行かないでや生きなさいなど共通項が多いかなと。あとはほぼ同じセリフとして、人は絶望には逆らえても愛情には逆らえない、と、人を動かすのは絶望ではなく愛情、であったり、(誰のセリフかモノローグか忘れましたが)みんなと一緒に手を取り合って希望と幸せを生み出す、というフレーズが、本質はアマツツミにおけるみんなの笑顔と幸せを守って、に近しい気がします。

 

・キスCG

見た方ならわかると思いますがアマツツミにおけるほたるんとの初めてのキスシーン、アオイトリにおけるメアリーとのキスシーン、クナド国記における茜とのキスシーンが、それぞれ構図というか空気感に共通するものがある気がしますね。

 

・メイド服

御影氏がシナリオを担当されている作品、毎作でメイド服系統の衣装が出てきている気がしますが性癖でしょうか。まあ私もメイド服好きなのでおいしいですが。

 

あたりでしょうか。

余談ですが、夏姫姉様然り水無月ほたる嬢然り、OGOGさんの演技故か、静かに真面目に話をするような場面でどことなく歌うような話し方をしていることがよくあるというか、描写的にも歌うように、とかよく出てくる気がします。

 

というところで今度こそ締めたいと思います。