隠居月の雑多な書き処さん

ゲームの感想とか何となく書きたくなったことを雑多に文字にして放り込むところです。Twitterには投下したくないネタバレとかえっちなやつの感想とかも書きます多分。

【感想】紙の上の魔法使い

この記事は18禁ゲームに関する感想です。未成年の方は閲覧厳禁です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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また半年くらいここに投げ込んでなかった感想です。

結論から書くとウグイスカグラ作品はいいのでみんなやって♡という話をします。

多分この後るぺかりについても投げます。

TLにウグイスカグラの民が多くて(それも水葬銀貨のイストリアをやってからなので自分から増やしてるんですが)行脚してきました。なお行脚と言いつつまだパラレログラムはやってないというか何なら積んでないです。早く買え、そしてやれ。セールはいつですか

 

じゃあ何について書くんじゃいというとここまでの数行で選択肢がガンガン減ってますしそもタイトルに書いてますが今回は紙の上の魔法使いの話です。

とんでもねえヒロインだらけの作品でした。

 

ネタバレ全開の話を垂れ流したいところですがとりあえずは抜きにして、公式サイトのコンセプトを見てみましょう。

魔法の本をテーマにした作品。誰にでも楽しんでいただける物語。

では魔法の本とは何ぞや?

開くと現実の人間が登場人物として行動するようになる本のこと。

 

さて、本にも色々とジャンルがございます。

コメディ、恋愛、サスペンス、その他諸々。結末も様々。

それらが「紙の上の魔法使い」そのものの世界観と入り乱れて話が展開することになります。

実に興味深いですね。

シナリオ上のギミックとして別のシナリオを持ってきていることで、私は正直今自分が「紙の上の魔法使い」の世界設定の上にいるのか、それとも魔法の本の世界設定の上にいるのかわからなくなることがちらほらとありました。

それが話としていいか悪いかではなく、読み終わってみるとそうしたいい感じに読み手を翻弄してくれる感覚がとても好きだったと思っています。

またこれは他のウグイスカグラ作品もそうでしたが、何度か読み返してみて話の流れやキャラクターの発言をかみ砕いていくとさらに面白さが増すような気がします。

個人的にもパラレロまで通過したら一通り再走したいなと。

 

ルクル先生シナリオは重いと言われている印象があります(し実際軽いかというとそれは…ああ!)が、それはそれとして非常にいい作品だったのでぜひ触ってみてほしい作品群でした。

 

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【注意】
以降ネタバレを含む感想になります!
未クリアの方やネタバレを気になさる方はブラウザバックをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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さあネタバレ話するぞ~

 

・伏見理央

ゆるふわ癒しキャラ。の皮を被った重たい背景の女の子。公式には拾われたと書かれていますがその実彼女自身も魔法の本と来た。なんでそうなった?

そのために生まれてきた、なんて表現はたまに見たりしますが、そうではなくそうあることを与えられて生まれてきたキャラっていいですよね。似ているようでまるで違う、使うとしたらむしろ負の意味の言い回しですが、私は後者の方が好きだったりします。

そうあることを与えられたが故に遊行寺家に逆らえない、恋愛もできないと不自由なあり方しかできなかった彼女ですが、そんな中でも与えられた役割に抗うために(流れでやむなく開いた側面もありますが)魔法の本をむしろ利用しに行く強かさを見せてくれるのも理央の魅力でした。

 

・月社妃

言うまでもないですが激重兄妹でしたね。周りに気持ちを見せないようにしている中でも瑠璃の悪口を言う時は楽しそうにしていた、なんて表現が出てくるのもさることながら、汀が見ていて明らかに誰かに操を立てていることがわかるというのもすごい。

瑠璃も瑠璃で妃が死んだときに当然のように後を追うし、個別にしても結局は心中していくあたり比翼の鳥って感じがして好きです。

魔法の本として得たロスタイムの使い方も思い残し…特に残された側の別れに対するわだかまりをきっちり解消していくあたりに、生者としての自分がもう終わっていることに対する割り切りの良さとその辺の発想の近さのようなものを感じられて個人的にちょっと嬉しいポイントだったかもしれない。ただそんな中でも、汀に告白をされて振る流れの中でやっぱりつらさは感じていることがわかるあたりに実はとても弱い女の子なんだというのが垣間見えて好きです。蛍色もやるとさらに解像度が上がって死ねる。

弱さという点でいえば、最終版の告白において最初からかなたには勝てないのがわかっていたというのも印象的でした。まただからこそ、サファイアの影響でかなたの存在がなかったことになり、代わりにそこに座っていることに気づいたときに「そのままならいいのに」と思ってしまう生々しさも好ましいですし、その前後で夜子に向かって言い放つ「恋に敗れて死んでしまえ」も実に印象に残る言葉でした。

他には個人的に分岐直後の「いくじなし」も好きです(?)

 

遊行寺夜子

必然として彼女が成長するための物語だったと思います。冒頭からずっと図書館の中という暖かくて自分に都合のいい揺り籠の中に閉じこもっていましたが、妃との対話を経て瑠璃に告白・振られるまでの一連の流れを通して寒い外へと抜け出して自力で立ち上がるようになってくれたのは素直によかったなと。(なにせかなたが瑠璃に告白した場面を夜子が見たことをきっかけにして始まり、悲劇が連鎖する形で物語が進んでいたわけなので)

クリソベリル曰く白髪赤目である夜子の願いをかなえるためにクリソベリルが暗躍していた――と言っても、心の奥底にしまってあるそれを願いの一部だけを切り取って叶えようとするが故にほぼ暴走状態でしたが――それに対する責任をいわば自ら負う形に落とし込んだところはこれがわかりやすく出たなと思います。クリソベリルの言い分が正しいのかどうか、というところはあるものの、それ自体はあくまで夜子の関与の有無についての話であり、最終的に落としどころを決められる、あるいは決める必要があるとすればやはり魔法の本の担い手を引き継いだ夜子をおいて他にないからです。もちろんそこに夜子の非は必ずしもないですが、クリソベリルにきちんと首輪をつけつつ彼女自身がけじめをつけるためにもクリソベリルと対峙(対峙?)するというのは大きな一手だったのではないかと。

自分の足で立ち上がって歩き始めた彼女に祝福と幸福を祈りたい。

 

・日向かなた

なんだこのいかれた女は???(誉め言葉です)

魔法の本を1人で3回も開き、みんなに忘れられてしまっているにもかかわらず本を重ねて開くことで瑠璃との距離を一気に詰め、汀がアクセル全開で黒い本を使い倒そうとしたときはヒロイン補正を全開にし、挙句瑠璃にはたかれた日にはさらに上から超えてくる…抜粋してなお意味が分からなくなってきたな……

かなたから瑠璃には冒頭からずっと矢印が向いていて、翡翠の時は自演するメンヘラっぽい子、アメシストはその地続きでちょっと病んだりと色んな顔が見られた子でもありました。これだけたくさんの本を開く上にその内容も女の子がだいぶ重めなあたり、魔法の本との縁が強まっていたことを考慮してなお彼女の想いが強かった証左でもありますが、それにしてもストーカーじみた調査能力と行動力はもうちょっとこう…何とかならんかったんか?いやないと困る場面も多かった気はするけども……

妃の話にも絡みますが、裏でオニキスが開いている間にサファイアを読む場面、本来開いている本が違うのに開かなかったのはもう最初から開きっぱなしになっていたからという。それだけの期間頑張ってきたのもやはりサファイアに選ばれるだけはあるということなのでしょう。

 

個別に並べたところでどのヒロインが一番好きかですが…割とみんなしっかり好きなんですよねこの作品。シンパシーを感じたり成長が喜ばしかったりとみんなそれぞれ良さがはっきりしてて困った。ただ…ヒロインとして、を念頭に置くと残るのはかなたちゃんなんだろうなぁ……(終わってからピンク髪の子が刺さりやすくなった顔)

サブですが岬のキャラ感も割と好きです。ルートあったらそれはそれで楽しそうだけど彼女の場合はこの距離感がいい、みたいな絶妙なラインがいいですね。

あと今見るとマイページが結構重要なことゴリゴリ書いててじわじわくる。

 

大筋言いたいことは垂れ流してすっきりした気がするのでこんなところで。