隠居月の雑多な書き処さん

ゲームの感想とか何となく書きたくなったことを雑多に文字にして放り込むところです。Twitterには投下したくないネタバレとかえっちなやつの感想とかも書きます多分。

【感想】冥契のルペルカリア

この記事は18禁ゲームに関する感想です。未成年の方は閲覧厳禁です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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御託はいらねえ(?)

昨日のかみまほに続けて冥契のルペルカリアの話です。

久しぶりにロスになる感覚を味わった気がする(久しぶりは気のせいかもしれない)のでせっかくなら言語化をしようかなと。実をいうとかみまほの言語化もるぺかりが終わったタイミングでどうせなら一緒にやるか…ということで言語化したところはあったりします。

 

演劇をテーマにした作品ということで、台本に従って物語を表現することがポイントになってきますが、過去作品である「紙の上の魔法使い」において魔法の本が現実に開かれる(これもある意味で演じるということでしょう)コンセプトにどことなく通じるものがあるなと思います。公式サイトのコンセプトについても見比べてみると、ウグイスカグラ4作品においてかみまほ・るぺかりのみ書かれているポイントが一致しているのもおそらく意図的なものでしょう。そういった部分で比較ができるというのもそうですが、シンプルにかみまほをやっていると目に留まる要素があったりするので、できればかみまほ→ルペカリと順にやれるといいかもしれません。(その他の過去作品もやっておくとちらほら関連するワードが見え隠れしたりはします)

 

比較という部分での私見としては、個人的にはかみまほは各個別が、ルペカリはグランドまでの一連の流れが火力が高かった印象でした。どちらもとても好みでしたが瞬間火力で琴線に触れてきたのは後者だったかもしれません。

あとはルペカリの場合は主体がシナリオというよりは演じる点にあることもあり、有名な物語を脚本として展開していくので、それらを詳しく知らない状態と読んだりして解像度が上がった状態でそれぞれまた少し違った楽しみ方もできそうなのがよかったなと思います。ちなみに私は元ネタを詳しく知らないものの方が多かったです()

 

……もしかして途中下車式だと世界観設定に対してうまく言えることがないと書くの難しいな?という気付きを得たところで素直にネタバレに行きます。

 

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【注意】
以降ネタバレを含む感想になります!
未クリアの方やネタバレを気になさる方はブラウザバックをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ネタバレいくぞい。

 

・天使奈々菜

初手妹騙りしてたアイドル。AMTKNNNNNNNNN。

正直こんな曇らせ甲斐のある…というか曇った顔が似合うヒロインなかなか見たことない気がします。最初の不在証明のくだりから始まってまあ曇った顔がよく出てくる。個人的には個別分岐後の母親にぶちまけてる場面のCGが一番好きだったり。ああいう場面だったり京子とのやり取りでちらほら垣間見えますが、この子火事場の度胸がすごいですよね。端々にただかわいいだけではない強さも抱えているのがわかって好きです。

そんなクソ度胸もあってかフィリア公演で口にする幸せになりたかった、から個別の妥協交じりのメリバ風味漂う幸せを経て、終盤にまだ幸せになっていない、に至るまでの曇りつつも精神的にどんどん強度が増していく過程がよかったと思います。いきなり不在証明とか言い出してひっくり返ってたのは内緒。

 

・箱鳥理世

ナチュラルにかわいい。思ったよりちゃんとぶっ刺さったのでびっくりしました。

外だと真面目なのに家だとだらしないあたりもさることながら、お酒を盛られたらぐずぐずになっちゃったりとギャップも多いキャラだったと思います。

真面目であるが故に、というべきか、演劇や周りの人間に対する感情に揺られていて、そこから逃げることを通して個別入りしてからはちょっと独占欲のようなものも見せつつもずぶずぶになって終始いちゃいちゃ…これもまたギャップですね。

そんな個別も泡沫の夢、度々キングクリムゾンされたりルートに入ったのに分岐がなかったりと不穏な要素はちらちら見えていましたが、彼女だけは幸せな個別を通過した上で自ら演劇から逃げずに、また環の背中を押す必要があるというちょっと重たいシナリオ。いいぞもっとやれ。

さておき、ああいう場面できっちり自分が選ぶべきものを(それを選んで平気なわけがなくても)選べる人間…朧が言うところの気高い魂を持った人間は普通に好ましく思いますね。直後に泣き崩れていたりとやっぱり辛さは抱えているものの、それを当人には見せないあたりの健気さも評価高いかもしれない。

 

・匂宮めぐり

序盤から通い妻みを盛大に発揮して距離を近づけるも来々の策でしばらく距離が遠ざかったりルートに入るかどうかの選択肢で環に直接地獄に送り返されたりとちょくちょく落とされてる感がある子。中の人の演技もあって環を煽ったり小ばかにしたりの火力が高かったのは割と好きです。あとは理世と環がルート上でランビリスを抜ける話をしたら捨てないで!みたいなちょっとヘラみが出てたのもふふってなった(?)

彼女については小生意気なガキ、みたいな表現を来々あたりがよくしていましたが、彼女がそうでいられたのはまわりにそれをぶつけてもいい大人がいたからであり、そういう子供のままでいられたからこそ火事による別離で突然そこから突き放されることに耐えられなくなってしまったともいえるのかなと思っています。

 

・架橋琥珀

ヒロインの中では唯一未来の手から(演技力を譲渡されたことによる)影響を受けているのもあってか、立ち位置が特殊な子。舞台装置としての側面があることもあり終盤では妹としての立ち位置を押し付けられたりと、ルートに入ってもいまいち不憫な印象が抜けないところがあるなと思っていたり。

役者としての能力も相まって本編上ではめぐりとの絡みが多く、いい関係性だったと思います。グランドエンディング後でもめぐりと競っている様子があることから察するに、未来から譲渡された演技力がそのまま残っているってことなんですかね?

 

・折原氷狐(瀬和未来)

ウグイスカグラで毎回何かしらがぶっ壊れてる気がするcv.御苑生メイさんの妹3号。死後白髪赤目に与えられた機会を自分のためではなく兄のためを想って使ったあたり例に漏れずというかいい重さですね。在り方が水葬銀貨のイストリアの人魚姫に近しい感じがするのもらしいです。

Iは未来を求めない、氷狐=未来が明かされてからずっと環⇒未来の話だと思っていましたが、クリアしてみると「I(環)は未来(妹)を求めない」≒現実に帰って生きるだけではなく、"I"は瀬和未来、あるいは愛、"未来"は瀬和環の妹としての瀬和未来の立場、あるいは文字通りの願いを叶えた未来の意が大きいことをわからされました。

物語を通して終盤までずっと折原京子として振舞っていましたが、京子としての環との初邂逅から愛情も才能もない≒未来とは別人であり環の幸せを阻害するものではないことを前面に出してきつつ、それに並べて仲良くして、それだけを願っている、が出てくるのが実に味があっていいですね。双葉をイメージしているのほんとなんというか…いいな……。

他のキャラに対しても少なからず思うところを本編中で話していましたが、双葉に啖呵を切られたところで強すぎるからわき役がちょうどいい、思った通りの最高の幼馴染と言っている、何より普通の友達として例に挙げたのが双葉であることから、かなり彼女の中で評価が高いのがうかがえます。(最終盤において彼女に尻を叩かれて環と話すように翻意するのもそのためでしょう)

理世についてだけは自分の世界にいないで現実で幸せになってほしいと言っていたのが、生きているうちの救いにこそなれなかったもののやはり彼女にとっての大切な友人に変わりなくまだ気にしていたのがそれとなく感じられて好きです。

あとは終盤で双葉や環とのやり取りで口にしていた、感情は一時のものであるがゆえに目の前のそれに縛られる必要はない(意訳)も地味に好き。全く同じ状態が絶対に維持されるということはない(そうしようとすると絶大なエネルギーを使う)しある意味で変化をよしとしている証左ともいえるかなと。

↓↓以下かみまほ関連のネタバレも絡むため反転↓↓

私のいない世界は幸せだったでしょ?という言葉、サファイアの存在証明もといオニキスの不在証明が開いている間の妃が消えたことで家族仲がどんどん改善されていっていたあたりに通ずるものがあってoh……になるポイントでした。魔法の本として戻ってきた妃が身辺整理して消えていったように、未来の場合も自身の死を環との間で双方了解した上で過去にするためにあったような感じがして個人的には好きな符号でした。

多分未来の趣味で題名が決まっているんだと思うのでこちらにそのまま書いちゃいますが2章の存在証明とか不在証明とか心臓に悪いからやめてほしい。あとロイヤルアンバー。

↑↑                    ↑↑

 

他サブ

・倉科双葉

フィリア公演のフェンリル役から始まり、終盤まで物語を終わりに導く狼であり続けたのが彼女らしくて好きです。途中で京子と対峙するシーンの啖呵といい、終盤に未来と対峙したときの尻叩きといい、物語冒頭から誰よりも精神的に強かったですね。

最初から男であると知らなければ~とか女装して弄んで~って言ってるの終盤を見てから見ると結構ちゃんと本音でマジかぁ…ってなるやつ。

・天樂来々

不器用極まりないのがちょっと親近感わきますね。言っていることは往々にして正しいけどだいたい言葉が足りないので、結果的に相手からの心証が悪化する損な性格と役回りをしています。その上で悠苑やハナを筆頭に、彼に救われた立場の人間からは絶大な信頼があるのがいい。あとめぐりのことになると途端にやかましくなる来々いいよね。本編自体が悠苑とハナと3人してめぐりを心配して無理やり残った結果で、やることやったらさっさと退場するのもさっぱりしてて個人的には好きです。(結果的にめぐりはそれだけでは立ち直れませんでしたが)

・椎名朧

琥珀に続く未来のいらないものを押し付けられた2号。ずっと思わせぶりにしてはいましたがまさか未来の愛情とは。元々の状態では兄弟、押し付けた先は男同士で号が深いままだぁ…。海外の恋人同士はI love youをなかなか言わない話をしてからのそれをそのまま伝えるの火力が高すぎますね。それを踏まえて公式の第八幕のところ見ると結構えぐいな???家庭的な女の子のところ、奈々菜と理世が沈黙するのふふってなった。

 

1周しただけでも結構各キャラクター振り返れるところがあって濃厚な物語だったんだなというのをひしひしと感じますね。多分周回したらまた内容増えるんじゃなかろうか。

ヒロインで一番好きなのは理世です。未来は未来で作品の象徴感がありますし、サブで言えば双葉も人気が納得の強さなので結構好きなキャラははっきりしたかもしれない。

 

各々が逃避という形で沈んでいく個別を経て本筋に戻ると逃げずに現実と向き合う流れを汲んでいるので、グランドまでの一連の流れの盛り上がりが大きく、対して個別が相対的には若干落ち気味というような感じはあったかなという気は少なからずします。ただその分グランドの瞬間火力は大きくなおかつ好みな雰囲気だったので、冒頭でふれたように久しぶりにロスのようなものを感じられた作品で嬉しかったです。

 

眠い頭で書いても進まんよな…と思って仮眠したらド深夜に書き終わったけどいいよね!()