この記事は18禁ゲームに関する感想です。未成年の方は閲覧厳禁です。
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アマツツミの感想を書きます。
えっちな作品の感想を書くのは初ですね。
とはいえシーンの描写についてとかは基本的に細かく書く予定は今のところありません。
一応人の目に触れるところですし書きにくいのもありますが、あまりシーンにこだわりがあるわけでもないので。
で、まあ初Purple software作品です。
とは言ってもこの作品自体は実は数年前から名前だけは知ってました。
ずいぶん前につながっていたTwitterのフォロワーさんが、アマツツミとあともう1つアオイトリの名前をちらっとツイートされてたんですよね。その方とはずいぶん前に相互ではなくなってしまったのですが、今は元気にしているのかしら。
まあそこでタイトルを知ってたことなんて最近まで忘れてたんですが。
初めてえっちな作品の感想を書くわけですが、この作品はシナリオやキャラクターの魅力は個人的に抜けていて、多分当分はこの作品以上にキャラクターを好きになるというか、楔として心に残ることってない気がします。なのでぜひ人にもお勧めしたい作品ではあるのですが、率直に言えばこの作品、主人公は人を選ぶと思います。(おすすめしたいのにこう書くのもあれですが)
なんでかってこの作品、個別ルートに入る前から各ヒロインとことに及びます。
何なら本編開始時点でヒロインの一人と経験済です。
そんな中他のヒロインといたしちゃうわけですね。
一応普通の人間と違う感性なんですよ、みたいな理由付けもありますし、私は慣れましたがさすがに最初はちょっと面食らう部分はありました。
ちなみにこの次感想を書く予定のアオイトリも同じ理由で主人公は人を選びます。なんでそういうタイトルばっかり感想書くんだ。
とは言っても普通にルート入るまで致すのはおあずけしてるタイトルで感想書きたいサクラノ詩とか、感想書くには理解が足りてなさそうなのでまだ書けないんですが。せめてすばひびくらいはやったほうがいいだろうけど例によって積んでる←
で、いきなり人を選ぶと言われてしまった主人公の誠さんですが、一応フォローらしきものをしておくと神の末裔と言われています。
より詳しいことを言うと「"言霊"使い」と言われているもので、口にした言葉を聞いた人間はそれに必ず従う異能を持っています。
えっちなゲームで絶対に役に立ちそうですね()
作中では「"我は悪事(まがごと)も一言、善事(よごと)も一言、言い離つ神"」というフレーズがたびたび出てきますが、
文字通りの神をベースにしているキャラクターなわけですね。
とまあそんな力を持っている都合、人里離れた山奥で"言霊"使い達は閉じこもって暮らしているのですが、彼は好奇心から里を飛び出し人里に下りてきてしまいます。
で、人間社会から隔絶された世界にいたがために一般常識がない、というのが一応の理由付けです。うん…うん?まあいいでしょう。
とまあ話題がちょこちょこ脱線してるところで本題の感想ですが、評価サイトで高い評価が出ているだけあって素晴らしいシナリオでした。えっちなゲームに対する自分の評価としては今のところトップです。
誠さんは良くも悪くも人間社会の価値観に染まっていないため、自分の好奇心のために人里にでてきていろいろなことを(やらか)しますが、そんな中でも人々と触れ合う中で彼が重要な行動をする際の理由はとある言葉を基準に基本的に一貫していますし、それは各ヒロインのルートに入っても変わりません。
この辺の感覚は体験版を触っていただければなんとなくつかめると思います。
この作品のシナリオについては私は自信を持っていいと言い切れるので、えっちな描写に一切触りたくないとかでなければ是非とも触っていただきたい。新品でパッケージ探すと高いですが。
あとは念を入れるなら体験版をあらかじめやるのが吉です。
ルート分岐は途中下車制なので、順に各ヒロインの本筋ルートがあって派生していく感じです。えっちなゲームで途中下車式にしたらそれは本筋ルートで致したら次のルートで別のヒロインと致すのでは?ということになりますが、そこはこのゲームはそういうものだと思ってください。
ちなみにこの作品の舞台は箱根らしいのでいろいろ落ち着いたら行ってみたいですね。
あとは一言主に関する神社とか。
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【注意】
以降ネタバレを含む感想になります!
未クリアの方やネタバレを気になさる方はブラウザバックをお願いします。
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はい、そんなわけでネタバレあり感想です。
例によって各ヒロインについて軽く書きますがまずは全体の所感から。
一本道のシナリオに派生でヒロインごとのルートがついている関係で、各ヒロインが抱えている根本的な問題については全て解決した上で最後のエンディングが迎えられるのは気持ちよかったです。
私は基本的には最終的には一本道のゲームというか、「このエンディングしかありえない」という終わり方が好きなので。
まあ一本道と一言で表しても終わり方のパターンとしては単純にルートがないとか、隠しルートのエンディングですべての問題が解決して大団円とか。他のルートだと根本的な問題が解決していないので最終的にはこのエンディング以外は実質すべてバッドエンド、とか色々ありますが。
アマツツミの場合も本筋ルートに関しては全て突破しないとグランドヒロインがどうしても救われないまま終わってしまうので、他のヒロインの派生ルートに入るわけにはいかない側面もあります。それはそれで致した後の各ヒロインを振る流れなので「ここで彼女に悲しい顔をさせるのか…」という気持ちになりますが。やっぱりそう考えると誠さんどうしようもないな、という気持ちにはなります。
あとはこのゲーム、OPテーマが「こころに響く恋ほたる」なわけですが、曲自体がキャラクターのことを歌っていて素晴らしいのは勿論のこと、曲名がそのまま本筋ルートの順番にしてあるのもよかったですね。
あと前々から思ってましたがノベルゲームの楽曲って大体どれもネタバレソングな気がします。終わってから聴かないと意味までは分かりませんが。
さて、大まかな話もしたところで各ヒロインの話をば。
【こころ】
養殖のお姫様とか少女漫画のヒロインとか、善性100%とか彼女を表せる言葉はいろいろあると思いますが、元気な妹、これに尽きると思います。
誠さんがこころに捨てられたペットよろしく拾われて、わざわざそういう欲求を抱かずに済むように"言霊"で家族設定まで作ったのに、禁断の愛が大好きな彼女はそれをぶち破ってくるという。
おバカな子なのかというとそうではなく、ちゃんと周りを見ている普通に聡い子です。だからこそ本筋ルートで誠さんに対して見せた表情は彼を行動させるわけですね。
実際かわいいのでどうにか叶えてあげたくなる。
メシマズをことある毎にネタにされてはおめめの潤んだかわいい顔を見せてくれますがメシマズはまさかのお母さん仕込み(こちらは料理が上手い)という。まあその理由も母あずきさんなりの想いがたくさん込められていて温かさを感じられます。
【響子】
神社の娘さん。霊感があるのが原因で初期状態だとぼっちで、友達が欲しいと悩んでる子。ふとしたきっかけで"言霊"使いであることを知られてしまいますが、巫女さんなので愛と揃って崇めてきます。読書家だからそういうのが好き、っていうのは分かるものの頭の中でぱっと神と巫女を結びつけてそう転がしていくのは結構すごいと思う。
響子の本筋・派生ルートでは彼女が霊感によってみている世界と、霊感が目覚める要因になった過去の事故に対する清算、というのが主題になっています。
起きてしまったことを変えられるかもしれない、という部分の是非を誠さんと議論していましたが、作中でも語られたようにその行動の結果は救われたものを自ら投げ捨てることになってしまうので、そういう意味ではあくまで清算した上で生きていく、という方向に向いてくれてよかったと思います。
【愛】
許嫁。彼は彼女とすることで行為を覚えてます。
里にいたころからの許嫁なので彼女も"言霊"使いで、かつ生きている中で最も強い使い手。"言霊"使い同士はかけられた"言霊"を破ったりもできますが、基本的に誠さんでは歯が立ちません。
誠さんは彼女という許嫁がありながら彼女をほっぽって人里にでてきてしまいます。しかも愛が追いかけてくるころにはほかのヒロインと致した後です。修羅場。
一応その場では許してくれますし、その後もずっと誠さんの意思を尊重し続けてくれるいい女の子なわけですが、誠さんは(事情もあるとはいえ)他の女の子のお尻を追いかけているので、愛本筋ルートに入る頃には強硬手段を取られてしまいます。
それはそうなるわさ…。
とは言っても元々の関係性があまりにも近すぎたこともあってか、若干普通の恋人関係とはずれているような部分もあった中、ルートを経て2人がより良い関係性に変わっていったのは見ていて嬉しかったです。
【ほたる】
病院の娘。本作品のグランドヒロイン。
私は彼女が一番好きです。というかこころ本筋が終わった時点の描写の時点から正直ほたるがどう動いていくのかがずっと気になって仕方がなかったです。
初登場時からずっとその頭の回転の速さ、聡さを見せつけた少女。
誠さんはおろか愛の"言霊"ですらなぜか通じない不思議な少女。
いざ蓋を開けてみればどのルートでも彼女は必ず何かしらの形で誠さんの選択に関わっていて、こころ本筋で誠さんのその後の行動を決定づける大切な約束から始まり、重要な場面では必ず彼女がいました。
だからこそ読み進めていて彼女の物語を見るのはずっと楽しみでしたし、いざルートが始まってみればやっぱりすべてが魅力的な少女でした。
当初からあった違和感が明かされ、"オリジナル"の彼女の存在を知り、グランドルートだけあってどんどん話が展開されていく。
デートをして、えっちなことをして、最後の結末まで走り抜けていく様子は素晴らしかったと思います。
END2ルートでは空に手を伸ばすシーンが2箇所ありますが、あそこのシーンは場面的にも心情的にも対比的になっていて個人的に好きです。
それから、途中で挿入されたムービーと「コトダマ紡ぐ未来」。
最高でした。歌詞もさることながら曲調もムービーも見事にぶっ刺さりました。
互いを想いあう歌ですね。思い返すたびにシーンがフラッシュバックしたり泣きそうになります。
あと、どうしてもこれは書いておきたかったのでシーンについて。
彼女のシーンは個人的に他のヒロインよりも明確に「することの意味」を強く感じられたのがよかったです。えっちなシーンってまあそもそもがえっちなシーンなので意味も何もない気がしますが、こと水無月ほたるという少女がする上ではそれぞれにある意味美しい意味付けがあった…と言えばいいのでしょうか。
誠さんが美術品を穢すような、なんて言い方をしていたりもしましたが、なんとなく他作品も含めてこれまでに見てきたシーンとは意味合いの違うシーンだったなという印象があります。
そういえばこのゲーム、どのヒロインのルートでも生きることについて何かしらが語られています。
こころ本筋では母・あずきさんの病気について。
響子本筋では響子と故人である鈴夏の命の選択について。
愛本筋では故人である双子の姉・希への贖罪について
ほたる本筋では2人のほたるについて。
それぞれの中で誠さんはほたるとした約束を踏まえて選択をしています。
グランドルートになっているということもありますが、彼にとってほたるがそれだけ強い意味を持った人間であり、自ら語った通り対等に接することのできる相手だったのは本当に良かったと思います。
でも全部終わった後でほたる以外に心を揺さぶられてるのは説明してほしい。
この甲斐性なしめ。
ところでほたるルートの終わり方については1、2それぞれどちらがいいかの意見があるようですが、個人的には2かなと思います。あくまでゲームのシナリオとしてみた時には確かにEND1の方が印象には残ります。が、そもそも誠さんは最後に"オリジナル"とどう向き合うかを決めるまでは重要な選択をするとき常にほたるとの約束を思い返しています。
"みんなの笑顔と幸せを守る"
"みんなのために自分を守る"
END1の誠さんはこの約束に対して誠実でいられたでしょうか。
"オリジナル"が"コピー"に対して天津罪を犯したのなら。
誠さんもまた"オリジナル"に対して天津罪を犯したからこそ2人で消えた。
要は「みんな」を選ぶ権利はあったのか、否かが軸だと思います。
だからこそ彼はあの瞬間だけ神に戻ったともいえますが…そもそも神ですら罰せられる罪なら、やはり犯してはいけないものなのでしょう。
人ならば犯してもよいものであるわけでもないですし。
人として、という部分に焦点を当てた場合、作品中を通して人として生きた誠さんの到達点としては、3者が納得の上で結論を導き出すことのできたEND2がそれらしいかなと思います。
それから全員が納得する、という部分でいえば、響子本筋における自分一人で納得の上で鈴夏に命を明け渡すつもりだった響子とEND1、実際の響子本筋の結末とEND2で符合する部分もあるかな、と書いてて思いました。
あとはこれに関しては完全に私情なのですが、“オリジナル”のほたるとのファーストコンタクトの時に彼女がこころを指してこころん、と呼んだ時点で、私の中からは彼女を何の容赦もなく消してしまうという選択肢は消えてしまいました。あの状況で出たその一言だけで、彼女もやはりそれまで接してきたほたるたちと同じように「水無月ほたる」であることがよくわかってしまった。
その後のほたるとのやりとりを見ていても、“コピー”の独占欲や“オリジナル”から漏れる“コピー”と同じ言い回しを見ていても、やはり根本は同じなのだな、という思いが強まるばかりでした。まあ大本が同じなのでそれが自然なのでしょうが…。
なにより強く感じたのは“コピー”に対して「人を動かすのは憎しみではなく愛情」なんて宣っておきながら、END2側の彼女以外はそれを自分に対しては向けてもらおうとは微塵も思っていなかったことです。END2もEND2でやたら不器用なやり方をしているあたりほたるらしいな、と思いますが。
当初の“オリジナル”は“コピー”への愛情を利用し人質とすることで目的を達成しようとしていましたが、その愛情はあくまで“コピー”に対して向けられたもので、“オリジナル”に対するものではない。つまり彼女の理屈で言えば本来なら自分を救ってもらう要素としては不足のはずなのです。しかし“オリジナル”は最後の最後までそれに気づかなかった。そんな様子がちょうど“コピー”のほたるたちが自分に対して向けられた感情に戸惑い、焦っていた様そのままだと思いました。自分が誰かと恋愛をすることや、恋愛対象となることをまるで考えていない。あまりにも符合する部分が多すぎたというか、要は“コピー”だけでなく“オリジナル”の水無月ほたるに対しても強く情が移ってしまったのだと思います。理論武装していく考察よりも素直に感情をぶちまけた方が中身書けますね(笑)
一カ所だけ気になったのがほたるEND2の最後、某漫画よろしく"言霊"使いの力そのものをのせて"言霊"を使っていますが、あれって対価としてはどんなものだったんでしょう?適当だったのか過剰だったのか。
過剰だったのであればその分は何処に行ったのでしょう?それこそ誠さんの散々すり減った魂を補填したとかであればいいのですが、魂が減れば寿命に影響するのであればどちらにせよ誠さんの残り時間が気になってくるのですが…。
せっかく大団円になったのにすぐ終わりが来てしまうのではちょっと悲しい気もしますね。
てな感じで、私の感想はこんなところでしょうか。
ちなみに本編中では明かされなかった主人公の名字についての公式からの公言があったようです。
リプツリーとか辿るとかなり色々言及がありそうなので備忘も兼ねて貼っておこうかなと。
個人的に気になっていた部分も書かれていてなるほどなーと思いました。
何度か似た話もしているので、いつもと違う時間に小話。
— 御影(仕事用アカウント) (@mikage_work) 2020年3月26日
「アマツツミ」から2点。
件のセールで過去作をプレイされた方が多く(それも落ち着いてきた)。
すでに発売から数年経ち、意見交換の活発さの最盛期も過ぎているので普通に公言。
・主人公の苗字。
・オチに向けての構造。 pic.twitter.com/YAVAC06TzM
補足の方
気づかれにくい(別に気づかれる必要もない)ポイントは、他はこのあたり。https://t.co/QBNJxfg9ED
— 御影(仕事用アカウント) (@mikage_work) 2020年3月26日
『古事記』に書いてある(*ΦㅅΦ) https://t.co/14YNqvZUO7
ついでに公式HPの開発コラムも忘れそうなのでぺたり。
というか、書いてる途中でこの辺のツイートとか見つけたので貼ったんですが、この作品考察難しくない…?
単に私がそういうの下手なだけなのも多分にあると思いますが…